2009年2月4日水曜日

ゴールダイレクテッドX

About Face3 読書ノートの4。

ペルソナっていうと、つい、ユーザーの心の中を覗く、みたいなイメージをどっかで持ってしまって、そんなアテにならない話を、なんていう人もいるわけですけど、要するに、インタラクションデザインの確度を上げるための事前準備として、これからデザインするものが実際にどう使われるのか、そのパターンを洗い出しておきたいということですね。

ただ、使われ方のパターンを調べるっていっても、いきなり実現すべきユースケースにはどんなものがありますかって、誰かに聞きに行ってもダメなんで。だいたい、実現すべきユースケースをいいかんじに揃えていくことからしてデザインの仕事なわけですから。

そこで、これからデザインするものを魔法の製品Xとしておいてですね。いったんその中のことはブラックボックスにしておく。
で、その製品を使う人の動機や目的、人と製品をとりまくさまざまな状況や環境を明らかにしていこうじゃないかと。ペルソナとゴールとコンテクストですね。
それらがある程度わかっちゃえば、そこにずっぽりとハマるXとは一体何なのか?というはっきりとしたスタート地点に立って、デザインの検討をはじめることができるという寸法。

なんだかわけのわからないモヤモヤとはすっぱり縁を切って、すがすがしい風に吹かれてデザインしようよ。それがゴールダイレクテッド。

図にするとこんなかんじだと思います。



「民族誌学的インタビューが最優先事項としているのはユーザーのなぜ(ロールの異なる個人の行動を動機づけているものは何か、究極的にそのゴールをどのようにして達成したいと思っているのか)を理解することであり、ユーザーが実行している作業は何かを知ることではない」
っていうわけですね。

この本には、「民族誌学的インタビュー」と称したユーザーインタビューのしかたや、その結果を元にしたペスソナ/シナリオ法によるモデリングのしかたなんかがいろいろ丁寧に解説されているわけですけど、はじめっからあんまり気張らず、まずはこの絵のイメージで X 以外の事項を明らかにすることに集中して、ヒアリングなりモデリングなりをやってみるのがいいかな、と、思いました。

この段階でのアンチパターンは、Xだけがやけにはっきり見えちゃって、その周辺がいつまでたってもぼんやりしていることなんでしょうね。
その経験はくさるほどあります。

 

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