2008年7月18日金曜日

トップページなんかいらない

きのうの続きで、トップページの話です。

そもそも、トップページってもういらないんじゃないか、と思ったことがあったんですよね。

URL 的にルートに位置するページっていう意味ではなく、ウェルカムメッセージがあり、お知らせがあり、主要なセクションの紹介や新着ページのリストがありという、サイトの唯一の入り口でございますといった顔つきのトップページ。

ちょっと前に小さな専門ニュースサイトを作って運用してたんですが、アクセスログをみると、ほとんどのユーザが、検索エンジン経由で直接記事ページにアクセスしてきて、そこからサイト内を巡回することもなく離脱していくんですよ。

トップページのアクセスなんてすごく少ない。

ぼくがそのサイトの運用から離れた後、プレゼント付きのアンケートをやることになって、担当者にどこに告知出したの?って聞いたら、トップページですって、おい、そこ誰も見てないよ?みたいな話になったこともあります。

広告から URL が消えたことからもわかるように、Web サイトを見て回るというユーザ体験にとってのトップページは、検索エンジンの検索結果のページでしょう。あるいは RSS リーダーとか。次に読むべきページはそっちに列をつくって待っている。

あ、だから画面遷移図やワイヤーフレームを書くときは検索エンジンの検索結果から書くべきかもしれませんね。

それでもサイトの提供者としては、訪問ページのコンテンツだけ読んで帰るなんて、そんなつれない、ほかにもいいのありますよ、とサイト内の他のページをおすすめしたい。だから、最近、フッタナビゲーションの重要性が認知されはじめて、でかくて充実したメニューをフッタに配置するサイトが増えてますよね。

たしかに、あの位置は、その上のコンテンツを探し当ててわざわざやってきて、さらにちゃんと下まで見てくれたユーザに対する、いわゆるコンテクストナビゲーションを提供するにはもってこいですよね。

向かって右側のサイド、エクストラメニューとか呼んでる部分を肥大化させる手もあるけど、あっちは、コンテクチュアルというより、まさにエクストラで、正直あんまり意識が向きませんね。広告スペースを広げるのにはいいかもしれないけど。ただ、エクストラは、ページの最上部にも届いているんで、一種の強制露出をやりたい場合は、ある程度の意義を持つかも知れません。

ともかく、あのフッタメニューの面積の広さに反比例するように、サイトにおけるトップページの価値というものは相対的に低下しているんだと思います。その一方で、充実したエクストラメニューとフッタメニューをしたがえて、サイト内のすべてのページがトップページとしても機能しはじめた、といっていいのではないでしょうか。

しかし、サイトの規模が小さかったり、検索エンジンのクローラにサイトの隅々まで巡回してもらえなかったりすると、検索結果にトップページしか顔を出せない場合もあります。それだと、すべてのページがトップページだ、なんてことはいってられません。

でもそしたらですね、今度はトップページが、たったいま検索を行ったユーザの動機や要求に応えるコンテンツとして登場しなきゃいけないんじゃないでしょうか。少なくとも、サイト内のコンテンツの紹介文なんかをつうじて、探していた情報の冒頭部分だけでも読み始められたというかんじを出したい。

よくわかんない挨拶と素っ気ないメニュー項目だけがたいした説明もなくずらずら並んでいるだけなんてのは最悪でしょう。だって、 そのとき並べて見られてるのは、Wikipedia だったりしますよ。

ウェブユーザビリティのなんかの本に、トップページの文字数をまず半分にしてみなさい。それができたら、次にさらに半分にしてみましょう。なんて書いてありましたが、それは、場合によりますよね。むしろ、フッタナビゲーションの作り方の指針として受け止めるべきかも知れない。

なんて、以上は、つまり、検索エンジンがユーザにとってのトップページになってしまった現実をちゃんと受け入れてサイトデザインを考えようという話なんですが、そう考えると、ブログもふくめた CMS に期待したいのは、リファラにくっついてる検索キーワードによって、フッタナビゲーションやトップページの内容を切り替えられる仕組みだったりします。そういうのもうあるのかな?

あっても使いこなすのは難しそうですけどね。でも、あったら、トップページしか検索にひっかからないサイトなんかでは、結構重宝するんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうね。
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