特集DraftPad/短期集中連載
D箱のアシスト事件
第4夜. トラブルぶくみ
この「Save to Tumblr」、ちょっと長めのテキストをポストするとエラーになるんですよね。しかも、毎回かならずというわけではなく、同じテキストでもエラーになったり、ならなかったりする。
クライアントサイド、YQL、Tumblr のどこでしくじっているのか調べてみると、どうも、YQL が怪しい。 怪しいのはわかるんですが、かといって YQL にそれ以上、手の出しようもない。
そんな状態でモンモンとした日々を過ごしていたところ、なにかの拍子に、Dropbox の API に HTTP で PUT するメソッドがあるのを知ったんです。
よく REST なんていいますけど、あんまり PUT ってお目にかかれないもんですから、すこし関心を持ちまして、 これを使えば、公式アシストの Save to Dropbox のように、(勝手な想像ですが、) アプリの内部にファイルを作成して、それをマルチパートでポストするというやり方じゃなく、DraftPad のテキストを Javascript 製のアシスト経由で直接送信できるんじゃないか? しかも、任意のフォルダに、任意のファイル名で? なんて考えました。
トラブルぶくみではありますが、YQL に頼れば、やれることはやれるはず。Dropbox の場合でも、やっぱり Tumblr と同じようなエラーが出るものか試してみたくもあり、今度は、Dropbox にテキストをセーブするためのアシストを作ってみることにしました。
どんなふうに動くものなのかは、前々回でご紹介したとおりです。途中、OAuth がどうしてもうまくいかずサジを投げかけました。でも本当に投げてしまう寸前で、Dropbox の Developer Forum に 「 signature_method を PLAINTEXT にしてみ?」なんて、まあ、ほとんど呪文のような書き込みを見つけて、なんとか乗り切ることができました。そんなかんじで、Tumblr のときよりもだいぶ苦労はしたのですが、なんとかひととおり、目標にしていた機能を実装することができました。
さて、実際に手にとってみると、最初の回に何やらクドクドと書き連ねたような意味で、これは、ぼくの DraftPad ライフにうまくフィットしていくものだということがすぐにわかりました。気がつくと、夢中になって無限の一枚の紙をちぎりまくってました。道具のほうじゃなく、自分のほうがグーンと延長していく実感がありました。
... しかし、やっぱり Tumblr と同じ問題が起きてしまうのです。
その上、Dropbox の API は https でつなげないと使えないんですけど、YQL と Dropbox の間で SSL 通信を確立する際のものと思しき通信エラーが頻発して、そのままでは、とても実用に耐えられない状態なのです。
長いテキストが扱えないというのはまだしも、何か操作するたびに、しょっちゅう通信エラーが発生してしまうのはいくらなんでもいただけないでしょう。
そこで、幸い、というべきかどうか、諸々のエラーは確率的にしか発生しないので、暗黙のリトライをしまくってごまかすことにしました。
もともとつくりがシンプルだったせいもあって、ソースコードの半分近くが、エラーの検知やリトライのための処理で埋めつくされてしまうことになってしまいましたが、裏で何があろうと、表面上は何事もなかったかのようにしれっと動くようになりました。
きっとこういうのは何かの縮図なんだろうなとか、とりとめのないことを考えそうになりましたが、そういうのは早めに切り上げて、とりあえずこれでいいや、中くらいの、おらが世の春だと思うことにしました。
ところが、そうして一息ついたところを狙いすましていたかのように、さらにもうひとつ、新たな問題が浮上してきたのです ... 。
つづく。
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