2008年9月4日木曜日

Webで持続可能な論座

論座って朝日新聞が出してる月刊のいわゆるオピニオン誌が廃刊になるそうです。いや、いままでそんな渋い雑誌、立ち読みしたことすらなかったんですが、トップの座談会に学生の頃好きだった柄谷行人が出てたんで、ちょっと冷やかし半分で買ってみたんですよね。そしたら、案外おもしろくて、ぺろっとほとんどの記事を読んじゃいました。

読んで楽しいかんじは、はてブの人気、注目のエントリーをざーっと読んでいくのと似てたかもしれません。はてブだって Web 関連のTIPSを抜いたら、あとはいってみればみんなのオピニオンのぶつけあいですもんね。いろんな人がいろんな立場や見方でもって登場して。

論座は朝日なんで正義とリベラル一辺倒なのかなと思ったら、そうでもなくて、Wikipedia によれば、いろんなテーマで保守とリベラルの論客をかけあわせて楽しむような編集方針らしいですね。それと、けっこうめちゃくちゃで男前な人も出てくるんですよね。あの、フリータの人がすごいこと書いたってちょっと話題になってた、丸山真男をひっぱたきたいとかいうタイトルの戦争待望論も論座に載ったんですね。

廃刊になるのは、赤字だからってことなんですけど、何をいまさらというかんじがしないでもありません。こういうのは、採算よりも、言論機関の使命とか存在証明とか、あるいはデモンストレーションとして、ほかで埋め合わせるのを前提にやせ我慢で出すもんだと思ってました。そんなに多く刷るもんでもないだろうし、そんなに高コストなつくりにも見えないし。どうなんでしょう。

いや、それでも、きっと1号出すごとに1千万単位の費用がかかるんでしょうね。そう考えるとやっぱり大変ですね。広告はほとんど入ってないし。表2に焼酎、表3にめがね、表4に靴の広告が入っていて、あとは誌面のところどころに出版社の広告がちょぼちょぼですからね。

それなら、こういうの Web でやったらどうでしょうね。内容的には、かなり親和性が高いようにも思えるんですけど。論座に載るようなオピニオンのひとつひとつがネットに公開されたリソースとしてパーマリンクを持つなんて、それこそ言論機関の社会的使命の果たし方としては理想的じゃないですか。

雑誌のコストの半分以上はコンテンツよりも、版下制作、印刷製本、取次販売手数料といったブツの製造と流通にかかるそうですよ。

Web でやるなら、最初のサイトデザインとかCMS構築なんかにかかる初期費用なんて1号分のお金で充分でしょう。あとは原則、毎月のコンテンツの制作費だけどうにか捻出できればいい。

論座の中には、広告も含めてたくさん本が紹介されています。ブックレビューもあるし、出てくる人にはみんな著作があるし。なんで、サイト全体でばんばん Amazon アフィリエイトしまくるってのはどうでしょう。

それで、論座にがんばってほしい愛読者たちに、本を買うなら論座経由の Amazon で、とお願いする。つまり、それが一種のドネーションになって論座が支えられるという。あなたが本を一冊読むと、論座サイトの寿命が1時間のびます、とかいってね。それで足りなければ、あとは、焼酎とめがねと靴で、どうにか。だめですかね。

作るほうも読むほうもテンションが上がっておもしろいことになりそうだと思うんですけど、こんな話、中の人には、荒唐無稽とかいわれちゃうのかな。


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