About Face3 読書ノートの5。
なにしろ、まずは、質的なユーザー調査、ユーザーインタビューありきってわけなんですけども、実際問題、なかなか、そういうのをちゃんと計画して組織的に実施できる予算も空気もなかったりします。
だからってふてくされてても仕方なくて。そういう場合は、予算を握っている方々にそうした活動の意義と価値を一日も早く理解していただけるよう精力的に説得しつつですね、一方で、ユーザーインタビューなんてのは、もっとゲリラなかんじでやってカバーできる部分も案外多いかも、なんて、頭を切り替えてみるのも手なんじゃないかなって思いました。
だってね、職場の同僚とか、取引先の人とか、一緒に飲んでる人とか、いろんな人と話しているうちに、彼らのうちの誰かが、今デザインしようとしているプロダクトのユーザー候補だったことに気づくってのは、そんなにありえないことじゃないでしょう。
そういうとき、とっさにインタビューできるようにいつも準備しておくってのはこれ、実によい心がけじゃあないでしょうか。
About Face 3 によれば、ユーザーインタビューで、ユーザーから引き出したい情報は次のとおりだそうです。
引用します。
・製品(新製品をデザインしている場合は、類似システム)がユーザーの生活やワークフローに関わってくるコンテキスト。いつ、どのように、どんな理由で製品を使うのか。
・ユーザーの視点から見たドメインについての知識。ユーザーは、仕事をするために何を知っていなければならないのか。
・現在の作業と仕事全体。現在の製品が必要とされる仕事とサポートしていないことの両方。
・製品を使うにあたってのゴールとモチベーション。
・脳内モデル:ユーザーが自分の作業や仕事全般についてどう思っているか、製品に対してどのような期待を抱いているか。
・現在の製品(新製品をデザインしている場合は、類似システム)が抱える問題点、製品に対する不満。
引用終わります。
はい。以上のくだりを頭に入れておいて、で、これを一種のテンプレートにしてですね、後は相手と話題に身を委ねながら臨機応変に質問を繰り出せるようにしておけばいいわけです。
ただ、ちょっとこれだとサッと取り出しにくそうですね。なんで、自分のために自分で勝手にまとめてみました。質問の骨子は5枚のカード、ということにしておいて、このイメージを覚えておくっていうのはどうかなと。
ちなみに、インタビューイーには、ユーザー以外にも、クライアント(製品の購入者)、ステークホルダー(プロジェクト関係者)、SME(Subject Matter Experts = 対象ドメインにおける"その道のプロ")がいて、それぞれに聞くべきことがあるのですが、でも、ユーザーインタビューに比べれば単純です。
クライアントとステークホルダーから聞き出すべきことは、それぞれの立場でのビジネスとは何か?ということになります。ゴールだけでなく、各種の制約や条件も含めてね。
一方、その道のプロは、デザイナー自身が対象ドメインを学ぶ上での先生役といっていいんでしょう。
なんで、インタビューイーの種別のイメージとユーザーインタビュー用の5枚のカードを頭に入れておけば、たいていなんとかなるんじゃなかな。と、思うんですけどね。これ、どうでしょうね。
2009年2月11日水曜日
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