About Face 3 読書ノートの23。
About Face 3 に、階層構造(特にフォルダの中にまたフォルダがあるような、同じ種類のオブジェクトの入れ子構造)はふつうの人には理解しにくく、取り扱いも難しい。それよりも「単斜グループ」を使ったほうがいい、みたいなことが書いてあるんです。
単斜グループ? 何それ?
説明を読めば、それが、階層を持たない一列の並び、ということで、現実世界でいえば、本棚やファイルキャビネットのようなものだとわかります。
Webでは、下記のサイトで説明が読めます。
Monocline grouping (Global Constant)
http://globalconstant.scnay.com/2009/09/10/monocline-grouping/
「A monocline grouping is a representation of data in a single layer (i.e., without a nested hierarchy)」
ってね。
しかし、これがなぜ「単斜」なんでしょう? 地学で「単斜構造」といえば、
weblio 石油/天然ガス用語辞典 単斜構造
http://www.weblio.jp/content/%E5%8D%98%E6%96%9C%E6%A7%8B%E9%80%A0
「地層が、ある広がりにわたって、おおむね同一方向に傾斜している地質構造をいう。」
ってことで、
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monocline01.gif (wikipedia commons) ← こういうことですね。
結晶の単位格子の種類にも「単斜晶」というのがあって、
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monoclinic.svg (wikipedia commons) ← こういうことですよ。
これらに共通しているのは、まあ、一方向に傾斜してるってことですけど、About Face 3 がいう monocline grouping にナナメは関係あるの?
本棚がスカスカで本がナナメになっちゃってるって?
なんかぜんぜん腑に落ちないんですよ。ところが、前のエントリーを書いているとき、monocline 単斜 と、mono な cline は違うのか?と、思いまして、cline を調べてみたところ、
Google 英語辞書
http://www.google.co.jp/dictionary?langpair=en|en&q=cline&hl=ja&aq=f
「a series of similar items in which each is almost the same as the ones next to it, but the last is very different from the first」
こう出ました。
つまり、先頭から後尾にかけて、要素の性質がだんだん変化していく配列みたいなことでしょう。生物学の用語として連続変異とも訳されるようですね。
こっちのほうが、About Face 3 と Global Constant が説明している monocline grouping にフィットしませんか?
もっとも似ている者同士が隣合うように並べておいて、類似度の差が大きくなっているところが、グルーピングの境目だと心得ておく。
階層なんてややこしいことは考えず、そうしたひと並びの列にモノをしまっておいたほうが、人にはやさしいというのが monocline grouping でしょ。
というわけで、どういうつもりでクーパーが monocline という言葉を選んだのか、英語ネイティブが monocline と聞いてどんなイメージをまず心に抱くのか知りませんが、とりあえず、monocline grouping を、「単斜グループ」と訳すのは、ちょっと不適切なんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
じゃあ、何と呼べばいいか? もう、「クラインなかんじに並べとく」って言うしかないかな? でも、クラインとかいうと変な形の壺が目に浮かぶしな ... 。
2009年12月25日金曜日
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