2010年11月12日金曜日

兌換電子通貨トークン

中央銀行は、一定の現金通貨をストックし、ストックした個々の紙幣、硬貨に一対一で対応する兌換電子通貨トークンを発行する。

中央銀行は、兌換電子通貨トークンを保持するためのおサイフアプリを無償で提供する。

人は、いくつでもおサイフアプリを持つことができる。

人は、自分のおサイフアプリに入っている兌換電子通貨トークンを、他の人の特定のおサイフアプリに移すことができる。

おサイフアプリは、新たに保持する兌換電子通貨トークンに自らに固有のシグネチャーを付与する。保持をやめるときはシグネチャーを削除する。

中央銀行は、ストックしている通貨に対応する兌換電子通貨トークンに付与されたシグネチャーを、つねに把握している。

人は、自分のおサイフアプリに保持している兌換電子通貨トークンを、対応する現金通貨と交換することができる。

さっくり、こんな仕組みがもしもあってくれたならば、電子マネーといえども、その使い勝手は、フィジカルなマネーとほとんど変わるところがなくなる。と、信ずる。

つまり、アカウントレスで、プライバシーともきれいに切れていて、大人も子供も関係なく自分の経済的境遇に応じて出し入れできて、支払いの手続きに特別な数字の入力も必要なくて、支払い方法で囲い込まれたり、売買がつねに三者間取引としてしかあり得ず、いつもなんだか釈然としない手数料が上乗せされるなんてことのない、それこそ、みんながずっと慣れ親しんできた、ごくふつうの、自由な市場経済。

この水準のプラットフォームを提供するのは、産業資本主義でやっていく国民国家の機能のうちでも、コアの部類でしょう。なんで放任なんだろう?

ん。いやいやいやいや、大丈夫、大丈夫。狂ってるのは僕のほうぢゃないよ。


5 件のコメント:

manabuueno さんのコメント...

そうなると現金(紙幣・硬貨)の存在は、映画 Matrix でカプセルで眠ってる人間達みたいな感じですかね。

takahashihideki さんのコメント...

わはは、そういうことですね。

で、金本位制で兌換紙幣が本当に金と交換されることがまずないように、眠っている人は永遠にカプセルの中にいてもらって構わないのです。そうして信用の源として、存在し続けてくれさえすればいい。

って、こんなヨタ話にコメントをいただいて大変恐縮です。

takahashihideki さんのコメント...

このエントリーのタイトルで検索してみたら、

貨幣の基本機能 貨幣の歴史・価値定在から情報へ アナログ情報としての紙幣 電子マネーは貨幣か / 日野学
http://www.geocities.jp/hinomanabu/e-money/e-money.html

なんてテキストを見つけました。'96年のものです。( そういえばその頃、電子マネー話って盛り上がってましたね ... ) 電子マネーをリアルマネーの兌換券として流通させるというアイディアは昔からあるんですね。

このテキストにもある、マルクスの「貨幣の最も基本的な機能は、『あらゆる商品を買えること』、言い換えると、あらゆる商品と交換できること」っていう定義が、今、電子的な商材をめぐるマーケットを考える際の、本当の一大事なんだと思うんですよ。だって、自由な市場っていうのは、それによってはじめて存在しうるわけですから。

このテキスト、「現在の不換紙幣は徐々に流通から姿を消していき、電子マネーが21世紀の中心的な貨幣形態になるのではないでしょうか。」なんて言葉でしめくくられていますけど、 21世紀になったので、そろそろどうなんだい?と。

takahashihideki さんのコメント...

あ、リンクになんないのかよ。

http://www.geocities.jp/hinomanabu/e-money/e-money.html

これです。

takahashihideki さんのコメント...

調子にのって追補。

おサイフアプリは、URLを持つ。

おサイフアプリAは、おサイフアプリBのURLを指定して、兌換電子通貨トークンを移す。

兌換電子通貨トークンの移行にあたっては、移行セッションと不可分の情報として、移行元から移行先へのメッセージを与えることができる。

また、おサイフアプリは、外部のからの要請に応じて、トランザクションIDを含むURLを持つ。トランザクションIDを含むURLに対して所定の額の兌換電子通貨トークンが移されると、おサイフアプリは、要請元にトランザクションが成功裡に完了したことを通知する。

おサイフアプリは、オンラインにあって、いわゆる課金サーバー、あるいは、入金エージェント、料金回収エージェントとして機能する。