2008年8月15日金曜日

ねんきん特別便のインターフェース

会社で、ねんきん特別便ってのを渡されまして、おおこれか!なんていって、わりとわくわく封を切りました。

開けると、3枚、紙が出てきますね。最初に目につくのは舛添大臣の筆文字の署名、いきなりド頭といっていい位置に。

ふつうの手紙じゃありえないかんじですけど、でも、その紙は、これからやるべき仕事の指示書にもなっているので、舞い上がって三枚バラバラにしちゃっても、あのサインのおかげで、それが一枚目だってすぐにわかるようになってます。

これはインターフェースデザインとしては評価すべきポイントといっていいでしょうね。なんて。

でもね、あとがいけません。年末調整のときも毎度思うんですけど、どうもこう、すんなり書けない。というか、了解して書き始めるまでがもたもたしちゃう。

つまり、全体に、インタフェースというか、情報デザインが悪いんだと思うんですよ。

三枚紙があって、一枚目が指示書。挨拶と作業指示が書いてある。二枚目が確認書で、加入履歴と納付月数集計が記載されている。三枚目が申告書で、履歴の記載もれと現在の個人プロフィールの記入フォームになってます。

で、これでやることといったらですね、要するに加入履歴に間違いがないかどうかの確認なわけですよ。目的は年金アカウントの正規化なわけでしょう。消えちゃったらしい部分を復元するとか、分かれちゃったのを一元化するとか。

そうだとすれば、納付月数の集計なんて、アカウントごとの利用照会の話だから、フェーズを分けて対応すべきなんじゃないでしょうか。げんに、今回もらった紙にもそれについてなんらかの異議を申し立てる方法は提供されていないわけだし。なんでもいいから疑問があったら窓口にご相談ください、とは書いてあるけどね。

なんで、納付月数の集計は削除しましょう。みせるにしても、メインの作業フローに干渉しないように工夫しなくちゃ。

そうして、本来の目的にかなうように考えると、けっこう一枚でシンプルにいけると思うんですよね。

紙面をまず上下に大きく割って、その上部を左右に割ります。その左側に社保庁が確認できている加入履歴を記載して、これを見て足りないと思ったら右側に記入してください、という。で、下半分が現時点の個人プロフィールの記入欄。これだけでいいじゃないですか。

加入履歴の足りない分が書き切れなかったら、一緒についてくる別紙に記入する。そういうふうに嵩むぶんにはいいんだと思います。フレームワークがシンプルで一回頭に入っちゃえば、それを構成する個々の要素のボリュームがあとで増えることになってしまっても、ユーザの短期記憶にそれほど負担をかけることにはならないはずです。

加入履歴欄もおんなじ。あふれたら別紙。メインの紙の上二段下一段の三分割のイメージを逸脱することがなければ、いくら紙が増えても、構造は単純なまま。

それで、インストラクションやヒントは、その一枚の紙の中に、記入者の視線と注意の遷移にそって、適当な場所に書き込んでおく。

Web アプリのヘルプでも、リモートナビゲーションでヘルプ集のページに飛ばすよりも、入力や操作のインターフェースのすぐそばで、オンデマンドで表示されるほうがいいですよね。コンテクストナビゲーションじゃなくて、コンテクストヘルプとでもいうんですかね。

とにかく、封筒開けてたった一枚、上から読みながら、気軽に、それこそ場当たりに答えていけば、記入のしかたに迷うことなく、つるつると作業を終了できる、そういうのにしてほしいですよね。

それがうまくいったら、大臣からのハートフルなメッセージが認められたお手紙なんてのが、もう一枚別についててもいいじゃないですか。もう顔もだして、なんだかいやに神妙な顔しちゃって。いろいろ文句はあるけど、いっちょ協力するからがんばってくれよ、みたいな気にね、こっちをさせてくれるような。

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