そもそも、Google Analytics を使うかどうかも含めて、要求段階でアクセスレポートについての定義が行われるべきだし、サイトストラクチャを書いてユーザー導線設計を行う際にも、ロギングについての計画があわせて検討されるべきですよね。それは直接に URL 設計に影響を与えるだろうし、HTTPのアクセスログの解析では得られないデータが要求されるのであれば、当然、専用のロギングシステムの実装を検討しなければいけないわけだし。
Web のメディアとしての特性のひとつは効果測定を正確に行えるところにあって、なんつっても、それって、だまってほっといてちゃなかなか容易なことではないんですよね。バンバン記録しといてください、あとでびっしびし読み解きますから、なんていうのは、実はぜんぜん通用しない。ログというものはあっと言う間に膨れ上がるもんで、そうそう手放しで長期間とっておけるもんでもないし、あとでこれこれこういう切り口で集計したいっていっても、げんに今ある数々のURLのバリエーションから、はたしてそうしたまとまりをつかみ出せるかどうかわからない。
このあいだ自分でHTTPの生ログを相手にそういう後出しの集計をやってみて、その無謀さをほとほと思い知らされました。これはじつに面倒くさい。
で、そうやって、ロギングについて思いをいたしてみると、この領域はメディア特性の一大特徴みたいに言われるわりには、けっこうまだまだプリミティブな状態にあるんじゃないかなあ、とも思うんですよね。
たとえば、ロギングの単位、じゃなくて、集計の単位は必ずしも URL じゃないんじゃないか、とか。まあ、これは集計ツールの汎用性をいかに担保するかということにも絡むんですけど、しかし、よくクライアントから求められるのは、あるセクションの(1)トップページと(2)その下位階層全体のアクセスレポートなんてかんじだったりします。把握したいアクセスの粒度はそれくらい大ざっぱで、また、下位階層っていうときの階層って、URL のパスの階層と一致しない場合もあるんですよね。効果測定の対象は、そういうふうに認識されているコンテンツのまとまりなんであって、けっして、URLがその表現となるようなデータ構造ではない、っていうか。
プリミティブっていいましたけど、たぶんサーバーを運用するエンジニア向けのレポートと、マーケティング向けのレポートが未分化なんですよね。いや、もともと、たいていのアクセスログ解析ツールは前者の要求に応じて作られてきたわけなんでしょう。Google Analytics は、そこのところを後者にふってみたという意味で画期的だったんですね。でも、まだ、前者にひきずられているような気もします。
ユーザー導線設計の抽象度にフィットしたロギングの定義を事前に行って、マーケティング指向に対して必要充分なアクセスレポートを残すことをサポートするような、CMS なり、Web アプリケーションフレームワークなりが出てくるといいなって思うんですけど、どうでしょうね。まあ、まずはそこまでいかなくても、個別の案件で、プログラマーと相談しながらそういう方向を追求してみたいなと思ってます。それもWebサイトデザインのうちってことで。
-----------------
sent from W-ZERO3
0 件のコメント:
コメントを投稿