2008年12月12日金曜日

ネットの万次郎

夜中にケーブルTVで同時通訳も字幕もなくなったCNNに見入っちゃうことがあります。番組にしろCMにしろ、ビジュアルの作り方が日本のTVとは大分違ってておもしろいんで、何いってるかよくわからないながらも、頭からっぽでついボーっと見続けちゃうんですよね。そうしてみると、英語もまったく聞き取れないわけじゃなくて、知っている言葉はちゃんとわかるな、っていうか、聞いてると、今のあれか、って、知っている単語のスペルやカタカナと今聞こえた音声が急に一致する瞬間があって、地味に小さな感動を覚えたりします。いや、アホ丸出しで恥ずかしい話なんでけど、そうなんです。

だから、

英語ができないたった1つの決定的な理由
http://anond.hatelabo.jp/20081101050330
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51133522.html

なんかで言われていることは本当なんだろうな、とか思って、ふだん英語なんておれには無縁と決め込んで暮らしてても、ちょっと乗ってみたくなりますね。

しかし振り返ってみると、中学から大学出るまで、覚えさせられた英単語のそれぞれをネイティブがどう発音しているのか、ほとんど確かめてこなかったような気がします。だめだこりゃ、ってかんじですよね。今や、goo や excite の英和辞書には音声がついてるし、電子辞書でもそういうのがあるんだろうし、昔より格段にネイティブの発音を確かめやすい環境が整っているでしょう。今、中学生や高校生をやってたらちょっとは違うのかな、どうなんでしょう。心がけ次第っていやそれまでですけど。

そういう意味では、iKnow! のブックマークレットがすごいですよね。ブラウザに表示されている英単語の訳だけじゃなく発音までその場で確認できるというやつ。

http://www.iknow.co.jp/bookmarklet

できれば、マウスオーバーで音まで出るといいんですけどね。そしたらこれと一緒に毎日適当にIT系のニュースを追っかけていくだけでもけっこう英語が聞き取れるようになれそうな気がしちゃいます。ってそれは気のせいかな。

あと、上に紹介したURLで、dankogai さんがいってることも、そうかもなーって思うんですよね。要するに、あれでしょ、パックン英検みたいにして、和英じゃなく、英英で、語句の意味のネットワークを自分の頭の中に作り上げていくのがほんとの近道、ってことですよね。

パックン英検
http://www.nhk.or.jp/night/pakkun.htm

思うに、ジョン万次郎なんて、そうやってがんばったんでしょうね。これなんていうの?これどういう意味?って聞いても、英語でしか返ってこないわけで。たぶん五感との対応で直感的に了解できる語を自分のものにするところからはじめてね。

そういえば、学習したい言語で日記を書いて、それをネイティブの人に添削してもらって、その一方で、自分は自分の母国語で書かれた外国人の日記を添削してあげるという lang-8 ってありますよね。

http://lang-8.com/

これは外国語学習のグローバルなエコシステムってかんじで、なんて素晴らしい実践なんだろうと思うんですけど、これをパックン英検でやったらおもしろそうじゃないですか。

各国とも自分の国の言葉のうち基本中の基本で使用頻度の高そうなのを2000ぐらいピックアップして、みんなでその語句の意味を外国人に聞かれたつもりで、なるべく平易な言葉つかいでわかりやすく説明してみるんです。できれば音声で、だめならテキストで、音声かテキストにイラストや写真を添えるのはOKにして登録。で、それをいろんな切り口でまとめて、ID3タグつきのMP3とかでダウンロードできるようにしたりして。

なんていうんでしょう、ひとつの言葉の意味を確かめるのに、いろんな人の説明を聞いてみるってかんじで。そういえば、CNNを英語がわからないながらに聞いていると、話す人によって、なんか聞こえてくる語感の印象がけっこう違うんですよね。

いろんな人の、それぞれに他とは微妙に違う感じのする音声にたくさん触れて、そういう言葉をしゃべっている人たちがうじゃうじゃ確かに存在していることを感じながらボキャブラリーを増やしていくのって、学習方法としてもけっこう効果的なものになりそうな気がしませんか。教えてくれる人のキャラがたってたりして、その人なりに一生懸命説明してくれている様子が伝わってきたりすると、いわゆるエピソード記憶としても心に残りそうでしょ。特に中学生になって英語を習い始めるときなんか、最初にまとめて聞く英語が日本人教師の日本語なまりのっていうのよりは、だいぶいいんじゃないでしょうか。

さて、教えてもらったら、教えてくれた人にちゃんとありがとうと言うのが礼儀ですよね。だから、どんなんでもいいから、音声でもテキストでも、感謝のメッセージを送れるようにしておくんです。それと、自国人としてみて、その説明はうまい!というのをオススメできるようにもしておく。で、それらの数をポイントとしてみて、登録された説明をレーティングしてみたりして。そうやって自分の国の言葉の意味やニュアンスをどううまく説明できるものか、みんなで知恵を出し合っていく、すると、それが自国語を学びたい外国人のためになると。で、それはめぐりめぐって、ちゃんとお互い様になっている。

いやあ、なんていうか、実に愛にあふれた、善のかたまりみたいな活動じゃないですか、これ。いかがなもんでしょう。

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