2008年11月7日金曜日

Webディレクターは正気を失う

トップページに並べられる複数の項目には重要度に応じたランクがあって、ランク上位のものから上から下へ順に、上のものは大きく、下にいくにつれて小さく、つまり、ニュースサイトのレイアウトのしかたがその典型であるようなレイアウトパターン。まずワイヤーフレームの段階ではそうした情報構造が指向されていたはず。

それを表層段階のビジュアルデザインに変換する際の試行錯誤で、なかなかレイアウトに格好がつかず、ニュースサイトでいえばトップ記事にあたる情報を、ウェルカムメッセージエリアのようなデザインで処理してしまったのが失敗。

そうしちゃうと、そこは、後続するリストからのピックアップ、特出し、フィーチャーのようにみえてしまって、だから、それが後続するリストに存在していないことのほうがむしろ不思議、そんなふうにユーザーを混乱させてしまいました。

そこでつまづくとWebアプリ全体が機能しないような入り口のメニューの話なんで、ユーザーからのクレームも多数寄せられまして、しかも、それでようやくそうした誤りを犯してしまったことに気がづく始末。

もう、いわれてみれば、どうしようもない手落ちなんですよね。それをデザイナーもディレクターも制作作業のさなかではまったく気づけなかった。

その、レイアウトがなかなか決まらない、ってところで頭がおかしくなっちゃってるんですよね。たぶん。で、本質をないがしろにして、表面的な結構のみを追求してしまい、そこが解決したところでもう力尽きてしまっている。

やっぱり、現場ではどんなに当たり前のように見えることでも、ユーザーテストは絶対必要だと思い知るわけですけど、しかし、大前提として、作業中は正気を失っている可能性があることの自覚を常に持つようにしないといけませんね。

特に、それなりに大きな問題を解決したと思ったとき、紆余曲折あってやっとここまできたなんて思ったときあたりが危ないみたいです。

ただ、一方では、ワイヤーフレームを雰囲気だけで書いてしまって、トップページに配置される項目のそれぞれについて、情報構造上の役割を明確に捉えていなかったことにも、デザインをあさっての方向に向けてしまった原因の一端があったと思います。

デザインを間違わないようにするためには、

1、ワイヤーフレームがそう書かれたことの理由にあいまいなところがないか

このチェックを徹底した上で、

2、ワイヤーフレームで意図したことが実現できているかユーザーテスト

これをちゃんとやる。

それから、ユーザーのタイプやコンテクストの洗い出しをちゃんとやっておくこと。そうしないと、そもそもワイヤーフレームは書けないはずだし、ユーザーテストもできない。

そのへんをさぼっている限り、一度失った正気は取り戻せない。

実は今回の失敗の根本的な原因はこれなんですよね。結果的に、あるタイプのユーザーの存在を無視してデザインが暴走してしまったといっていいくらい。

なんて、今、反省しているところです。

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